【発酵講座】醤油とは?

 

かもす
今日は「醤油」について解説するよ!

 

醤油とは大豆と小麦を原料に作られた醤油麹に食塩水を加え発酵・熟成させた液体です。日本の伝統的な醸造調味料で和食の基本調味料でもある「さしすせそ」にも入っています。また海外では「soy sauce(ソイソース)」として調味料の一つとして認識されています。

※熟成・・・味や香りがまろやかになるようにする工程・期間

醤油の効果


消臭:刺身などにつけることで生臭さを軽減してくれます。

加熱:加熱することでアミノ酸やみりんなどの糖分がメイラード反応を起こし、メラノイジンという成分を作る。これにより綺麗な照りや香ばしい香りがつきます。

静菌:醤油には適度な塩分、アルコール、有機酸が含まれているため、大腸菌なのど増殖を止めたり死滅させたりしてくれます。醤油漬けや佃煮はこの効果を活かした食品。

対比:甘い煮豆に少量の醤油を加えることで甘みがより引き立ちます。甘いものに対して、しょっぱいものをほんの少したらすことで、その甘みがより強く感じられます。

抑制:漬かりすぎた漬物や塩鮭などの塩辛いものに醤油をたらすことで、塩辛さを軽減してくれます。これは醤油に含まれる、有機酸類に塩味を和らげる効果があるからです。

相乗:醤油の旨み成分であるグルタミン酸とかつお節に含まれるイノシン酸が合わさるよ深い旨みが作り出されます。そばつゆや天つゆなどがそうです。

3つの製造方法

本醸造方式

原料として大豆、小麦、塩のみを使用した醤油。日本のやく85%はこの製造方法で作られています。

混合醸造方式

大豆や小麦のタンパク質成分を塩酸などで分解し中和させたアミノ酸液を醤油もろみに添加して熟成・醸造する方法。日本の醤油の0.6%はこの方式です。

混合方式

本醸造方式の製造過程でできる生揚げ醤油にアミノ酸を加え、加熱させる方式です。日本の醤油の14%がこの方式です。

醤油のラベルのあれこれ

丸大豆 大豆そのまま

脱脂加工大豆 脂肪分を取り除いた大豆

アミノ酸液 大豆や小麦に含まれるたんぱく質を酸分解して中和したもの

酵素分解調味液 タンパク質を酵素によりアミノ酸やペプチドまで分解したもの

生醤油 火入れを行わず、火入れと同等の殺菌処理をした醤油

天然醸造 本醸造醤油のうち、添加物を使わず自然環境下で醸造したもの

特級 JAS規格による等級。醤油の旨み成分であるアミノ酸は窒素を含むため、全窒素成分の割合で決められる。濃口醤油での基準は、全窒素成分が1.50%以上、無塩可溶性固形分が16%以上のもの

上級 濃口の基準で全窒素成分が1.35%以上、無塩可溶性固形分が14%以上のもの

標準 濃口の基準で1.20%以上、淡口醤油では全窒素成分の0.95%以上、たまり醤油では1.20%以上、再仕込み醤油では1.40%以上のもの

醤油の種類

醤油にも色々な種類があり、その誕生の背景には昔の人々の暮らしなどの文化的な背景が感じられます。

例えば香りの豊かな濃口醤油は江戸時代、海の近い江戸では魚を食べる機会が多く、魚の臭みを消すために誕生したと言われています。淡口醤油は江戸時代中期、料理の色を淡くするために作られ、懐石料理などに使用され関西の食文化の発展に貢献しました。

濃口醤油(煮物やおひたしなど)

明るい赤褐色で日本の醤油のシェア8割以上(84%)の生産量を占める。生産量1位は千葉県で同量の大豆と小麦を原料とし、塩分濃度は16~17%程度。
減塩醤油は9%以下、うす塩醤油は13%以下です。

淡口醤油(関西に多い)

兵庫県龍野市で誕生。色が薄く香りが軽いのが特徴で食材の色や風味を活かしてくれ、関西の食文化には欠かすことのできないもの。製造方法は濃口醤油とほぼ同じですが、より塩分濃度の高い仕込み水を使い塩分濃度は18~19%程度と他の醤油より高め、絞る際に甘酒や水を加えるのが特徴です。

たまり醤油(刺身など)

大豆と小麦が9:1と、ほぼ大豆から作られています。発酵・熟成期間が長く、とろりとしたコクが特徴。最も古い歴史をもった醤油で、主に愛知、岐阜、三重県で製造され、さしみに最適な醤油です。別名「さしみしょうゆ」、塩分濃度は16~17%。

再仕込み醤油(寿司など)

山口県生まれのつけ醤油で、醤油の仕込みには食塩水を使いますが、その代わりに生揚げ醤油(もろみを絞ったままの醤油)を使います。味・色ともに濃厚、塩分濃度は12~14%。

白醬油(茶碗蒸しなど)

愛知県碧南市で生まれ、主に愛知県で生産。原料は大豆と小麦の割合が1:9とほぼ小麦で、糖分が多いが味は淡泊で独特の香りを持っています。小麦を精白して炒らずに煮て使うため、仕上がりは琥珀色。発酵・熟成期間は3ヵ月程度、色は薄いですが塩分濃度は17~18%と高め。

さまざまな加工醤油=醤油をベースにした調味料

「麺つゆ」

醤油 + 出汁や砂糖

「ポン酢」

醤油 + 柑橘果汁や醸造酢

「白だし」だし巻き卵や煮物の味が簡単にきまることから最近人気

白醬油 + 出汁やみりん、塩

卵かけご飯用や焼きもち用の醤油、アイスクリームにかける醤油などバリエーションが増えています。

醤油の小麦とアレルギー

醤油に含まれる小麦は乳酸発酵、アルコール発酵後の生揚げの段階で小麦のアレルゲンはなくなります。醤油にアレルゲンはない、かぎりなくゼロに近い、だが完全なゼロかという検証は難しい。

そこで小麦の代わりにソラマメを使ったグルテンフリーな醤油も作られています。

 

参考文献
発酵検定 公式テキスト 一般社団法人 日本発酵文化協会 2018
絵でわかる麹の秘密 小泉武夫 講談社 2015